ピンクと水色

女子が女子になったとき、ピンクと水色のどちらかを選択するとする。

 

ピンクを選んだ子は、女の子らしい服を着て、早いうちから恋愛に参入し、「かわいく」生きるルートを選択する。この選択は、特に思春期には大変リスキーで、同性の敵を作りやすくなる。

 

一方水色を選んだ子は、「ぶりっ子」を忌み嫌い、恋愛には無関心(のふり)で、いわゆる「サバサバ系」を指向する。

 

私は早々に水色を選んだ。顔立ちも良くなく、何か秀でた部分があるわけでもない。そんな自分がピンクを選択して、敵を作るのを恐れたからである。周りの友達も、だいたいは水色を選んでいたように思う。

 

それがどうだろう。

 

周りの女の子はいつの間にか器用に恋愛をし、かわいい服をセンスよく組み合わせて、化粧をし、髪を完璧に計算された「無造作」に束ねられるようになっていた。

 

みんないつからピンクになったんだろう。

私だけ水色のままだ。

 

親の敵のように避けていたピンクに、強烈な羨望を感じている自分に気づいた。